全農
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生産者の声 スティックサラダ
船井辰哉ふないたつやさん(49歳)
愛知県豊橋市大崎町
スティックサラダ
(スナップえんどう)生産者

農家と生活者が互いに
Win-Winの関係を意識できれば
日本の農業は良い方向に
進むでしょう

 豊橋は元々、おせち料理などに入っている絹さやえんどうや、甘みの強い砂糖えんどうなどが主力農産物でした。しかし、20~30年前から日本の食生活が大きく変わりはじめ、イタリアンなどの洋食文化が国内で広まります。和食用の品種の売り上げが頭打ちになり、手掛ける品種の見直しが検討されたわけです。海外からえんどう豆の品種を取り寄せ、これまでの栽培技術も生かせる優良品種を選定した結果、約20年前からスナップえんどうを導入する農家が増えました。主に市場や関係者に向けて他県産との区別化を目的に「スティックサラダ」というブランド名を付けたそうで、今もその名前で出荷しています。導入したての頃は、PRのために農家が身銭を切って販売促進会を行うなど、本当に苦労したという話を先輩達から聞いています。

農家と生活者の好循環  20年前に比べると知名度も上がり、産地としても軌道に乗っていると感じます。先輩達が開拓してくれた道を、僕達の世代が引き継いでさらに大きくしないといけません。新しい食べ方などを提案しつつ、高品質なものを安定的に供給できるようにつくり続けるのが僕らの使命だと思っています。
 農家も時代に合わせて進化していき、利益を上げていかなければなりません。稼いでいる姿は後継者を増やし育てます。愛知県は農業も盛んですが、自動車産業をはじめ働き口はたくさんあるんです。その中で農家を選ぶ決断を若者ができるよう、今いる僕らがしっかりと農業を盛り上げないといけない。地域農業の維持は農家だけに関係する課題ではありません。季節ごとに新鮮で美味しい農畜産物が国内の生活者に届く環境の保持に繋がります。農家と生活者が互いにWin-Winの関係で国内農業を発展させていけたら良いなと僕は思っています。
 国内産は値段だけを見ると、どうしても安価な海外産より高くなる農畜産物は多いでしょう。でも、管理や手間数、鮮度など、ハッキリ言って値段以上の価値が国産にはあります。特に、ここ豊橋市は気候も良くて一年を通して、キャベツやトマト、スイカにメロン、トウモロコシなど色々な作物が採れる場所です。しかも、どれも高品質です。全国的に見てもこんなに恵まれた地域は中々ないと思います。地元の美味しいものを、地元の人がたくさん食べてくれる好循環をもっと大きくし、豊橋の農業と地域を今以上に豊かにする一員でありたいと考えています。


スティックサラダ

 さやを丸ごと食べられるえんどう豆の一種。シャキシャキの食感と甘みが特徴です。「まずは生で食べて欲しい」と語る船井さんは、食べ方について次のように説明してくれました。「少し青臭いと思ったら30秒程度軽く塩ゆですると丁度良くなります。個人的にはよく太ったさやに薄く衣をつけた天ぷらが一番好きですね。他には、ごま油と塩昆布で和えると晩酌によく合います」。

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