レタス
過去とは違う考えを
行動に移して、もっと前に
農業は進まなければいけません
契約販売を目的につくる全国組織 私は小さな農家に生まれましたが農業を継ぐ予定はなく、大学卒業後は「何か商売をしたい」という思いで企業に就職しました。就農したのは30歳後半で、親戚から農事組合法人の立ち上げに誘われ、「作物を育てて売る農業も商売だな」と決断したんです。農業を始めて困惑したのは、市場価格の上下に影響される収益の不確定さでした。そのような状態を打開するため、経営の軸を市場出荷から契約販売へシフトさせたいと考えたんです。農事組合法人のメンバーと、同じ商品をつくる仲間を全国で集めて新たな組合を組織。北海道から沖縄県まで40数軒の農家でスタートし、契約販売での取り引き先を確保しました。全国でブーケレタスを地産地消しようという考えで、品物が足りない時期のある地域には、他所から輸送してカバーするという体制で運営しています。
農業に必要な「サラリーマン的」要素 「サラリーマン的」な部分が、農業にも必要であるというのが私の考えです。特に企業や会社員の家庭が周囲に多い千葉市のような首都圏では、「サラリーマン的」な思考による収益の安定性がないと経営的にも精神的にも厳しいと感じます。つくれるだけの量を栽培し、それを市場で買い取ってもらうだけでは、値段を自分で決められないため、農家は収益を計算できません。そうすると不安定な経営を前提に、年間の働き方や将来の事業展開も決めなければならず、余計に頑張ったり逆に諦める部分が出てきたりと、非効率な部分も出てくるでしょう。
前進するために大事な姿勢
家族経営の小さな農家一軒では、生産量に限界があるため契約販売の交渉すらできません。しかし、数がまとまれば力が生まれます。今は補助金も事業規模の大きな組織に手厚いのが実情です。そういう意味でも、農家は個人では中々厳しいわけです。JAには農家同士のつながりの強化を促す活動に、今まで以上に力を入れてもらいたいと思っています。
農業で大事なのは、考えたら行動に移すことです。考え過ぎはやがて悩みとなり前に出られなくなります。一緒に全国組織の組合をつくった代表が「考えたことは一回やってみよう!」と突っ走る人で、その姿勢は私も大変勉強になりました。過去や今を守ることは大切ですが、変わりゆく世情の中で未来を築かなければいけません。農業はもっと前に進まなければならないと思います。
レタス
鵜沢さん達の農事組合法人サラダでは、ビバ べルディという品種のレタスを手掛けています。パリッとした歯ごたえと歯切れの良さがある非結球のレタスです。苦味が少なく甘みを感じられるため、子供からの人気が高い品種としても知られます。「水耕栽培で育てるため、葉がとても柔らかく育ちます。また、一般的なリーフレタスに比べて葉の枚数が多い点も評価されています」と鵜沢さんは語ります。
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