全農
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生産者の声
いちご
大土 俊幸さん(51歳)
千葉県千葉市緑区
いちご、ブロッコリー、
キャベツ、他多数 生産者

作物の背景にある真剣な農家の姿を
もっと多くの人に知ってもらえれば
食や農業に対する社会の意識が
変わると思います

美味しさの原点は土にあり  農業を始めてからの私の一番のこだわりは土づくりです。化学肥料を使わず有機肥料をふんだんに使って土をつくるんです。良質な土に植物が根を下ろすと、栄養素をキャッチする力が物凄く増幅します。どの作物でも美味しさの原点は土です。高設栽培が主流のいちごも土耕で栽培しており大変な作業は多いですが、その分、自分が納得できる味に仕上がる手応えがありますね。昨今の物価上昇で化学肥料の値段がかなり上がりましたが、有機肥料はあまり上がっていないので、一般的ないちご農家に比べて肥料の値段は三分の一くらいに抑えられていると思います。

農家と生活者をつなげる発信  農家がどれだけこだわってつくっても、いったん出荷してしまうと、その生産物ができるまでの過程や農家の想いは表に出てこないことが多いと思います。私は20代半ばで就農して以来、農家のこだわりや想いを直接、食べてくれる人に届けたいと考えて行動しています。口にする食材のストーリーや背景が見えてくれば、生活者ももっと美味しく感じるし、自然と大事に食べてくれるようになると思います。就農前はある企業で営業スタッフとして働いており、人と人をつなげる営業ノウハウを、いちごづくりに活かせたら面白いんじゃないかと考えて就農したんですよ。こだわってつくった農産物を地域の農家と一緒に、地域の人々に向けて発信する。そして、地産地消を盛り上げて地域農業を守りながら、発信エリアを徐々に広げていくような農業を継続していきたいと考えています。

大所高所から考え地域課題に向き合う  私は千葉県農協青年部協議会の委員長やJA千葉みらい青年部の部長を務めてから、全国の農家と交流を持つようになり、農家としての世界観がまるで変わりました。それまでは自分の地域内だけで活動していたので、全国でどういう問題が起こって、どういう課題があるのかを知りませんでした。また、自分が知りたかったことを全国の農家仲間に投げかけるとたくさんの答えを返してくれました。そのような交流を続ける中で、日本の農業を深く考えるようになり、そこから自分の地域の農業における課題解決に向けたアイデアも得られました。
 農業と一口に言っても北海道や九州の大規模農家と、本州の小規模農家ではまるで違いますし、都心部と過疎農村でも事情が全然変わります。確かに各地域で難しい課題がさまざまに存在します。しかし私は世の中の、農業に対する優しさ、作物に対する優しさ、そして食に対する優しさの輪が一丸となれば、必ず変わっていくと信じています。


いちご

 土づくりに並々ならぬ思いを持つ大土さんのいちごには、数多くのリピーターがついてます。甘みを出すために海洋由来の肥料を入れたり、コクを出すためにアミノ酸を取り入れるなど、さまざまな工夫で理想の味に仕上げると言います。自身の子供たちに食べさせる際、「パパのいちご、どう?」と何度も聞いているうちに、優しいネーミングだなと思うようになり「パパのいちご」というブランドネームで販売するようになったそうです。

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