全農
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生産者の声
万願寺とうがらし
古島 佳貴さん(35歳)
京都府宇治市
万願寺とうがらし、茄子、
えびいも、ブロッコリー、
葉菜類 生産者

つくるのも、食べてもらうのも
大きな喜びになる農業は
やりがいのある職業ですよ

農業で食べていく選択  僕が脱サラをして農業を始めたのは約8年前です。勤め先の業績が振るわず、働いていても色々と腑に落ちない部分がありました。それで、良いことも悪いことも全部自分の責任になる自営業者なら、納得した働き方ができるんじゃないかと思い、農業に挑戦することにしたんです。
 小さい頃はお爺さんが農業をしていて、当時から農家は面白そうだとは思っていました。田植えをするお爺さんらに交じって泥遊びをしたのは良い思い出です。農作業の手伝いを強制されたこともなく、農業に対して良い印象がありました。それでも、親父が農家を継がずに会社員をしていたこともあり、10代の頃は農業で飯を食べていくなんて考えたことはなかったですね。それなのに今は、会社を退職した親父と一緒に農業をしているんですから、不思議なものです。

いくつもの楽しみ  就農当初は農業に対する知識が乏しくて苦労の連続でした。特に病気や虫の発生が多くて、対処方法に頭を悩ませていましたね。もちろん栽培に関する教科書などを読んで学ぶのですが、樹の剪定にしても実際には感覚的な部分も多いんですよ。状態に合わせて臨機応変に、丁度良い塩梅が分かるまでは、正直、金銭的にも精神的にも厳しいものがありました。「失敗も成功の糧になる」と信じ続けて、一つひとつ経験を積み重ねてきました。農家は「つくる」のも「食べてもらう」のも楽しみであり、喜びの多い仕事だと思います。それらは僕にとっては大きなやりがいですし、農業を続ける原動力になっています。

毎年異なる栽培状況  農業で難しいのは、毎年同じように世話をしても同じように生育しない点です。その年の天候などに合わせて微調整をしなければなりません。近年は、物価高で肥料代などの必要経費が上がっている点も厳しいですね。そのような中、「良いものができた!」と胸を張って出荷しても、市場に左右されてしまい安い値段がつくこともあります。正直、「良いものには、それに見合うだけの価格をつけてほしい」と思いますね。
 現在は親父と2人の家族経営ですが、将来的には人を雇用して、経営規模の拡大を考えています。栽培技術や経営者としてのスキルをもっと磨いて、自分が思い描く農業を実現していきます。


万願寺とうがらし

 大正末期から昭和初期に京都府で誕生したといわれる京野菜の一つ。唐辛子の系統ですが辛みはなく、甘みのある果肉はボリュームがあり食べ応えが抜群。以前は「辛い」と誤認する人も多くいましたが、近年は知名度も上がり「甘みのある野菜」としてさまざまな調理で食されています。生産者の古島さんは「シンプルが一番美味しい」と語り、素焼きにポン酢をかけてよく食べているそうです。

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