生産者の声 ソリダゴ
石田 勉さん(66歳)
岡山県真庭市蒜山
花生産者
自分に合った花を育てる時間は
本当に幸せです
私は長年、郵便局員として働いていました。退職後に再び勤め人になるのは乗り気にならず、元々農家の次男坊なので、家にいながらできる仕事をしたくて、在職中の10年程前から兼業農家としてソリダゴの栽培を始めたんです。ソリダゴは仏花などに用いられるキク科の多年草で、地域の花農家の先輩から株をもらい、そこから出る芽を挿し芽にして今まで続けてきました。とても生命力の強い植物で、毎年の苗代が掛からないというのは経営面での大きな利点です。私も新規でソリダゴを始める方に、苗を分けており普及活動に協力しています。
ソリダゴは始めやすく安定して続けやすい品種なので、ある程度の資金を得たらそれを元手に次のステップとして他の花を始める方が多いですね。ただ、私の場合はソリダゴが自分に合っていると思っているのでこれ一本で勝負しています。真庭地域は岡山県内で有数の花の産地で、ソリダゴの品質は西日本有数とも言われます。「長野県か岡山県か」と市場関係者も評価してくれていて、現状を維持できるよう生産者の一人として頑張っているところです。だから、合併する前の地元JAの花卉共進会で自分のソリダゴが賞を取った時は、大きな驚きと喜びがありました。ソリダゴよりクレマチスなどの他の目立つ花が賞を貰うことが多いわけですよ。その中で評価されたことは自信になりました。ソリダゴ生産者も高齢化が進んでいるので、私も体が動く限り楽しみながら花と向き合い、良品を作り続けて次の世代にバトンを渡したいと思っています。
ソリダゴ
正式な名称は「ソリダゴ タラ」で、「ゴールデンロッド」とも呼ばれます。鮮やかで小さな黄色い花をたくさんつける品種で、石田さんは「仏花以外にもアレンジメントのアクセントによく使われます」と説明します。
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