全農
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生産者の声
サラたまちゃん(玉ねぎ)
山下恭平さん(37歳)
熊本県葦北郡芦北町
たまねぎ、スイートコーン、
野菜、柑橘生産者

自分の子供が口にする食材を
自分でつくれる仕事って
とてもいい職業だと思ったんですよ

 以前はレストランの厨房で働いていました。農業を始める大きなきっかけは、子供が生まれたことです。自分の子供が食べる農産物を、自分でつくることができる農家に魅力を感じるようになり就農しました。私の実家が酪農を営んでいたこともあり、農業に進むことへのハードルは高くなかったですね。奥さんの実家も柑橘農家で、当初は柑橘も考えましたが、跡継ぎが同じ作物をすると新規就農者としてみなされないため、当地でブランド化されている玉ねぎをつくることに決めました。今では、家でも色んな調理で子供に食べさせています。さまざまなシーンで、みんなに使ってもらえるのが玉ねぎの魅力ですね。

手作業の多い安心安全な玉ねぎ  JAあしきたの「サラたまちゃん」の栽培は、とにかく手作業が多いんですよ。全生産者がエコファーマー認定を受けており、化成肥料の使用を抑え、農薬も基準の半分以下と限りなく有機栽培に近い方法で育てます。除草剤に関しては一切使いません。草取り以外にも植えるのも収穫も基本的に手作業です。だから、安心安全な玉ねぎだと自信をもって生産者は出荷していますね。

物価高の中の農家の思い  当初は玉ねぎ一本でやっていましたが、空いている時期にはめ込めるトウモロコシなどの野菜も手掛けるようにしました。昨年からは、義父の加温デコポンの栽培にも参加しています。果樹と野菜ではどちらも良い点があります。果樹は野菜のように毎年、毎回、土を耕して床をつくる作業はありません。その一方で一年一作なので失敗すると一年の頑張りが報われません。野菜は一度失敗しても取り返せるのが良いところです。自分は幼い頃から酪農に携わってきましたから、動物を育てる時ほど気を使わないというのも、違う点だなと感じますね。今は玉ねぎと果樹を経営の軸にしながら、リズムをつくりたいと考えています。1年のサイクルができてくれば、雇用も増やしていき、他の野菜も始めていきたいですね。
 野菜は何百円の世界です。それでも変動があると高い安いとメディアや世間は騒ぎます。今は肥料や資材も高騰しており、その中で農家も懸命につくっているので、良いものは良いものとして適正な価格で買ってもらいたいと思います。


サラたまちゃん(玉ねぎ)

 JAあしきたの水俣市・芦北地域では、昭和30年代に水田裏作の麦に代わる作物として玉ねぎ栽培が本格的に始まりました。1998年には第3回全国環境保全型農業コンクールで農林水産大臣賞を受賞しています。同年に「サラたまちゃん」が商標登録され、関東方面への出荷も本格化しました。生産者の山下さんは「2月上旬から3月上旬の期間限定で出荷される葉付きサラたまちゃんは、葉を付けたまま等分に切り天ぷらにすると美味いですよ」と語ります。