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熊本県を巡る
山海の幸と歩む郷
取材先:JAあしきた
風光明媚なリアス式海岸が続く西の不知火海と、豊かな森林を育む東の九州山地に囲まれた、熊本県最南部に位置する水俣・芦北エリア。海岸線に丘陵地が接近するなど、海と山が近い起伏に富んだ地形を有します。古社や景行天皇所縁の地が残る当地は、漁業や農林業などを中心とした人々の営みが古くから盛んでした。中世には薩摩街道の宿場町として栄え、当地の佐敷港は交通の要所として人や物品が行き来した歴史を有します。
現在の農業では平地は少ないものの、温暖な気候を活かした特色のある農畜産物を生み出しています。中でも柑橘類は全国屈指の名産地です。甘夏みかんで名を知られた旧・田浦町が用いていた印(丸に田の字)は、「デコポン」を筆頭とする水俣・芦北エリアにおける柑橘ブランドのシンボルとして現在も継承されています。また、肉用牛を育てるにも良好な気候条件であり、当地で飼育される「あしきた牛」の評価は高く、子牛は松阪や近江など全国のブランド産地に買われていきます。他にも、平地の有効利用として水田の裏作で始めた玉ねぎは、辛みが少なく水にさらさず生サラダでも食べられる「サラたまちゃん」としてブランドを確立。環境にも配慮した栽培方法で、安心安全をテーマに生産者らが懸命に栽培に取り組んでいます。