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熊本県を巡る
森と水と
絆の故郷
取材先:JAかみましき
九州のほぼ真ん中に位置する熊本県上益城郡。北にそびえる阿蘇外輪山に接する東の中山間地から、西の熊本市に隣接する平坦部に向かい、緑川水系の幾本もの河川が流れます。日本の平均を上回る年間降水量により豊かな森林資源が育まれ、水源にも恵まれる当地では、数多くの滝や深い谷などの急峻な地形が点在します。河川の水の勢いと水量が増すと、木製の橋では流されてしまうため、当地の人は江戸時代以前から石造りの橋を各所に建設。緑川水系に現存する眼鏡橋は80基以上にもなります。
橋づくりの技術を転用したのが石造りアーチ式水路橋である通潤橋。国内で唯一「放水」ができる橋であり観光名所として知られる一方、現役の農業用水路として約100ヘクタールもの農地を潤しています。
自然に囲まれた中で、先人が知恵を絞りながら農業を栄えさせた当地は、八朔祭りや清和文楽などの娯楽や芸能を通じて、地域の絆を深める文化も育み、熊本地震の被害を受けた際も、地域の結束を軸に力強く復興を進めました。震災から6年、平坦部では米や麦、大豆、西瓜、中山間地ではトマトやキャベツ、ピーマンなどの夏秋野菜を主力に多様な作物が今年も実りを結びます。