ねぎ苗、メロン、
南瓜、スイカ、
いんげん生産者
収穫体験に訪れた子どもが笑顔で
「ごちそうさま」と言ってくれると
本当に嬉しいんですよ
18歳で就農した当時、この地域はプリンスメロンの産地として東京の市場で名が通っていました。しかし時が進むにつれ就農人口の減少やJAの合併などが影響して、産地の特徴が徐々に弱くなったと私は感じるようになりました。実際、市場の買取価格が当方の希望と合わなくなり、約35年前から直売にシフトしたんです。メロンとスイカ、カボチャの3品目を主力に品目を増やしながら商売を成り立たせていきました。
生活者と会話を交わす中で、「野菜や果物がどのようにできるかを知らない人」が年々増えているのが分かりました。直売だけではなく収穫体験も始めたらニーズがあるのではないかと考えている時、長男が会社員を辞めて農家としていちごを手掛けたいと言ってきたんですよ。それで、いちごの観光農園をはじめ、ブロッコリーや大根、玉ねぎなどの収穫体験も開始しました。
思い出に残る収穫体験に
東京や神奈川から収穫体験に来た人に、畑に実った玉ねぎを見せると「玉の上に葉っぱがあるのを知らなかった」と驚く声も多いですね。玉ねぎの葉っぱも食べられることなど、農家の常識を教えると喜んでくれます。観光農園ではお客様の声をヒントにやり方を改善しながら運営しているんです。例えば、いちご狩りでは30分制限などと時間を設けず、時間は無制限。子ども連れで写真を撮ったりしていると30分はすぐに経過します。慌ただしい状態ではいちご狩りが記憶に残りません。だから、農業と触れる体験を少しでも楽しくしてほしいという思いで時間の制限をなくしました。いちご狩りを楽しんだ後に休憩所で持参のお弁当を食べるご家族もいますね。リピーターが友人や知人に紹介してくれることもあり、昨年は最高で1日500組の来園がありました。
収穫体験を通してたくさんのご家族を見てきて、家庭の教育は大事だなと感じます。「いただきます」「ありがとう」「美味しかった」をしっかりと言ってくれる子どもがいる一方で、所かまわず走り回ったり大声を出す子どももいるんです。あまりに酷い時に私達が注意すると変な顔をする親もいますね。どの業界でも「お客様、お客様」とちやほやするから、昔に比べてわがままが世の中に増えている気がします。「こんなことで文句言うの?」とこちらが驚くことも結構あるんですよ。モノを大切にする気持ちや、提供してくる方への労わりの心を忘れてはいけないと思いますね。
ブロッコリー
地中海沿岸部が原産地と考えられており、日本には明治初期に紹介されました。しかし、カリフラワーの方が人気は高く、ブロッコリーの栽培が国内で盛んになるのは、緑黄色野菜の栄養が注目された1980年頃からといわれます。白井さんは「ブロッコリーの丁度良い茹で時間は鮮度で変わってきます。直売所の新鮮なものはすぐに茹で上がりますね」と語ります。
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