地域の農地はJAが守るという信念

　JAなのはなは富山市の一部、神通川の下流域を中心にしたエリアを管轄しています。立山連峰の澄んだ水と富山平野が育むコシヒカリや、中京・関西地方で高い評価を得ている呉羽梨などが特産品として知られています。当JAは1994（平成6）年に富山市内の４つのJAが合併し発足して以降、人と人のつながりを大切に、「地域の農地はJAが守る」という信念でさまざまなプロジェクトに取り組んでいます。日本全国で共通する課題だと思いますが、当地でも生産者の高齢化をはじめ、農業離れが問題となっています。その中で離農者の農地の受け皿となる営農組合の組織化を進め、成果も上げてきました。しかし昨今では、営農組織に参加する生産者の高齢化という新たな問題に加えて、農地を預けたことで農家でありながら農家ではない方が増えるという現状も見過ごせない課題です。JAでは新たに地域の農地を預かる子会社をつくるなど、若い方が農業で生き生きと働ける仕組みの実現を目指して挑戦を続けています。それでも、JAがつくる子会社だけでは地域で余る農地のすべてを受けきることはできません。国や県、市などの行政機関や県内企業とも連携を取り、今まで以上の大きな枠組みで打開策を考えていかなければ難しい時期に来ていると思います。多くの人が農業や地域に意識を向けるためにも、我々がしっかりと旗を振り、地域農業の魅力、国産の素晴らしさなどを伝えていかなければいけないと考えているところです。